国土数値情報のデータを使って、東急線 全98駅の乗降客数の推移(2011〜2024年度)を地図上で可視化するサイトを作りました。
https://tokyu-trendmap.pages.dev/
各駅を乗降客数に応じた円で描き、下部のタイムスライダーを動かすと年度が切り替わって円が伸縮します。再生ボタンを押せば2011年度から2024年度までが自動で流れます。
コロナ禍の落ち込みと、その後
再生してみると、2020年度で円が一斉に縮み、その後じわじわと戻っていく様子が見えます。駅ごとの変化率を中央値でとると、こうなります。
| 期間 | 変化率(中央値) |
|---|---|
| 2019 → 2020年度 | −27.4% |
| 2020 → 2024年度 | +27.7% |
| 2019 → 2024年度 | −7.8% |
コロナ禍で約3割減り、そこから3割近く戻したものの、コロナ前と比べるとまだ8%ほど少ない、という状況です。2019年度の水準まで戻っている駅は96駅中12駅にとどまります。
2024年度の乗降客数を見ると、渋谷が177万人/日と突出していて、以下 横浜(51万)、中目黒(38万)、目黒(38万)、武蔵小杉(20万)と続きます。
「回復度」を色分けするのをやめた話
最初は「コロナ前(2019年度)比で増えた駅は青、減った駅は赤」という配色にしていました。作った側としては見せたい絵があったからです。
ただ、これは特定の年を基準に据えて解釈を押し付ける見せ方だと考え直し、やめました。年度はスライダーで自由に選べるので、どこを基準にするかは見る人が決めればいい。いまは円の色を一律にして、大きさだけで多寡を表しています。
円の色は濃いグレーにしました。青系だと、こどもの国線や東急新横浜線の路線色と近く、特にP型・D型色覚では駅が路線に埋もれてしまうためです。「路線は色付き、駅は無彩色」と役割を分けています。
データの扱いで気をつけたこと
欠損値は補間も推計もせず「データなし」として表示しています。世田谷線の2011年度など、そもそも値がない年度があります。
それと、出典データ側に集計範囲の変更に由来する不連続が残っています。たとえば渋谷は2011→2012年度で+70%と跳ねますが、これは2011年度まで田園都市線と東横線が別レコードで計上されていたものが、2012年度以降ひとつに統合されたためです。中目黒・目黒・横浜などは2023年度前後で大きく増えますが、相互直通運転分の計上範囲が変わったとみられます。
実態の変化ではないので補正したくなるところですが、どう補正しても恣意的になるため、そのまま出して注記で伝えることにしました。サイト内の「このサイトについて」にも書いてあります。
技術メモ
- 地図は MapLibre GL JS + 地理院タイル(淡色地図)
- 乗降客数は国土数値情報の「駅別乗降客数データ(S12-25)」、路線の形は「鉄道データ(N02-25)」から東急線ぶんを抽出
- 背景の地理院タイルは彩度を落として沈めています。ラスタタイルなので高速道路だけを消すことができず、「消す」のではなく「沈めて」東急線を前に出す方針にしました
- 路線の色は東急公式のラインカラー(公式サイトの路線ロゴSVGから取得)
- データはビルド時に静的JSONへ落としてあり、実行時に外部APIを叩きません。日本語の駅名ラベルもブラウザのローカルフォントで描画しているので、フォントサーバーへの依存もなしです
- ホスティングは Cloudflare Pages
出典: 国土数値情報(駅別乗降客数データ・鉄道データ)(国土交通省)を加工して作成。国土数値情報は非商用利用に限定されています。
